こんにちは、ケノシュです。
家造りの根幹の中の根幹、間取り決め。
新築を検討中の方も既に打ち合わせを進めている方も、関心事の筆頭は間取りなのではないでしょうか。
皆さんは、間取りをどうやって作成しましたでしょうか。多くの方は設計士さんに要望一式を伝え、間取りの候補をいくつか作ってもらい、その中から選択を…という形だと思います。
我が家では、間取りを自分で作って持ち込む形を取りました。設計士さんいわく、珍しいほうだそうです。もしかしたらプロの設計士さんに対しては失礼な行為だったかもしれないし、内心呆れられていたかもしれません。
それでも間取りを自分で作ったのは、かねてより自分で住む家の間取りは自分で設計したいと思っていたからです。というより、てっきりみんなそうしてるものだと思っていたので逆に意外なくらいでした。
しかし、素人が間取りを組むのはかなり大変です。それなりに経験と知識がないとヘンテコリンな間取りになってしまいます。「ソツのない」間取りにしたいのであれば、設計士さんに頼むのが確実です。
今回の記事では、私が間取り作りを進めていく上で感じたこと、学んだことを書いていきたいと思います。だいぶ文字数を削ったつもりですが、ちょっとごちゃごちゃした記事になってしまいました。あくまで私個人の経験を書き連ねているだけなので参考程度にして頂きたいのですが、自分で間取り作りをしたいと考えている方にとって少しでもお役に立てば幸いです。
目次
間取り作りの基礎を勉強する
知識ゼロの状態から、自分のセンス一つで良い間取りを作るのは不可能です。間取り作りにはある程度セオリーがあるので、まずそこを学ぶところから始めます。
例えば、湯を使う水場はできるだけまとめるとか、キッチン以外の水回りは北側に追いやるとか、東玄関がいいとか、西日の考慮、ゾーニング、生活導線、家事導線、回遊性の要否、収納の確保、風通し、子供との距離感、自分らが高齢になり子供が巣立った後の使い勝手、音や臭いの広がり、屋外からの視線、採光、風水…
挙げればキリがありません。この上さらに一条ルールなどという面倒くさいものも加わってきます。
一見無限のパターンがありそうな間取り作りですが、囲碁のようにある程度定石があるものです。設計士さんはそういった複合的な要因を考慮して間取りを作っているわけです。その複雑な作業を打ち合わせ中に手書きで手早く行っているのを見たときは、やはりプロだなあと実感しました。
しかし、土地の条件や施主の要望を満たし、なおかつ定石から外れない間取りを作るのは容易なことではありません。多くの場合、何かを優先したら他の何かが犠牲になる、という具合になり、要望の優先事項を調節しながらああでもないこうでもないと間取りを微調整していく形になります。また、行き詰まった結果、微調整どころか一旦白紙に戻して1から組み立て直すなんてこともあります。
満足行く間取りが得られるまでに、この調整がどれくらい必要かは人によると思いますが、設計士さんからはその作業が打ち合わせの中で一番大変だと聞きました。実は自分の間取りを持ち込んだとき、設計士さんに呆れられたり不機嫌にさせたりしないかと心配していたのですが、返ってきた反応は「設計士として一番大変な業務をショートカットできるので非常にありがたい」というものでした。施主によってはなかなか気に入った間取りに到達できず、打ち合わせの期間がどんどん伸びてしまう方もいるそうです。期間が伸びれば他のハウスメーカーに気移りされてしまう可能性なんかも出てくるわけで、提案する側としては結構必死でしょう。
しかし、一回2〜3時間、2週間に一回くらいの打ち合わせで情報を撚り合わせ、数ヶ月で気に入った間取りにたどり着くのは、個人的にはかなり至難の業だと思っています。どんなにしっかり打ち合わせても、やはり他人同士、伝えきれない要望だとか趣味嗜好はあるものだと思います。
自分で間取りを作る最大のメリットは、この「撚り合わせる」作業を自分の中だけで完結できる点です。定石を知る者と要望を持つ者が別人ではなく同一人物になることで、サクサク設計を進めていけるというわけです。
では、実際にどうやって進めていけばいいのでしょうか
必須アイテム「マイホームデザイナー」
有名な間取り設計ソフトです。他にも間取りを作れるPCソフトやスマホアプリがあって使ってみましたが、マイホームデザイナーの使い勝手には遠く及びませんでした。一万円ちょっととそれなりの値段しますが、必要なものなので購入しましょう。
プロ版は必要ありません。理由は、様々なルールで縛られ、壁は縦横のみの「普通の間取り」しか組めないi-smartの設計においてはプロ版で扱える特殊設計の数々は無用の長物だからです(^▽^;A)開発バージョンが2014年発売の「12」で止まっていますが、同じ理由で全く問題ありません。もっと古いバージョンでもOKです。私は2006年発売のバージョンを父から譲り受けて使いましたが何一つ不自由しませんでした。
立体化機能があるのですが、ソフトの癖なのか立体化するとやたらと狭く感じるので注意が必要です。
間取り関係の書籍
間取り作りの基礎知識の入手先としては、ネットに特集ページが多数あるほか、本も多く出版されています。Amazonで「間取り」と検索するとたくさんの書籍がヒットします。私も何冊か買いました。
基本的な内容は書籍間で被っていることが多いこと、中身が薄かったりクセの強い書籍もあることから、実際に書店に赴いて見比べてから選んで購入したほうがいいです。
おすすめのネット検索方法
ネットで間取り作りのコツを検索するときは失敗例を検索すると有用な情報がたくさん出てきます。「間取り 失敗」「間取り 後悔」などで検索するとたくさんの有益な情報が出てきました。実のところ、私にとっては書籍の情報よりもこの”失敗検索”で出てきた情報の方が有用なものが多かったです。
一条ルールを把握する
非常に面倒くさいですが仕方ありません。様々な一条ブログを見て回り、かき集めるように把握していくしかありません。私のまとめページはこちら。
我が家の間取り図の変遷
ここからは、私が実際に組み立てた間取り図の変遷をお示ししていきたいと思います。あくまで私の希望や土地の条件に沿ったものであり、他の誰にも当てはまる間取りではありません。ただ、素人が作っていくとどうなるか、その流れを体感してもらえればと思います。
土地の条件、自分の希望のまとめ
まず、我が家の土地は下図のようになっています。
典型的な旗竿地です。この時点でかなり間取りの制限を受けます。まず、駐車場は細長い入り口部一択、家は東西に細長い形状で北西に寄せ、玄関は東寄りというのが良さそうです。
家を南北に縦にして全体を西側に寄せるという案もありましたが、「リビングの窓は南向きで庭に面したい」という希望から却下としました。
当初、自分が要望をまとめたメモ書きから間取り関係だけを抜き出すとこんな感じになります。
・占有面積は必要最小限に抑える
かいつまんで言うと、南側に広いリビング、東側の玄関に近いボックス階段、無駄な廊下は作らない、1階に両親の部屋を確保する、といったところです。
要望の絶対量が他の人と比べて多いのか少ないのかわかりませんが、一覧を見直してみるとこだわりの強いところと弱いところがあることがわかります。ある程度リストアップしたら自分なりに優先順位を決めておき、間取りを作っていく形になります。
それでは、我が家の間取り図の恥ずかしい軌跡を御覧いただきましょう(笑)
最初の間取り
まず最初に、たたき台として作り上げた間取りがこちら。
もうツッコミどころ満載過ぎです。
※室内ドアはまだつけていなかっただけです。
まず家が長方形ではありません。変にデコボコしています。別に長方形である必要はないのですが、坪数を少しでも減らすためにダイニングなど無理やり狭くしているのが見て取れます。
そして広すぎるトイレ。介護を要する方がいる家庭なら別ですが、現時点で核家族の我が家に2畳もあるトイレとか無駄以外の何物でもありません。まあこれは将来車椅子が余裕で入れるトイレを目指した結果ですが、それでも広すぎるかなと思います。
同じく玄関ホールもかなりの広さになっています。
ボイラー/洗面室って何でしょう?この時点では一条の給湯設備は屋外に配置されるとは知らなかったというのもありますが、それにしても変な部屋の形です。開くドアを受け取るためだけのスペース↓って間取り的には無駄なんですよね。
極めつけは家の中心に鎮座する「(ウォークイン)クロゼット」。これはファミリークロゼットのつもりで盛り込んだもので、洗濯場とリビングの間に隣接する配置だと導線的に便利かなと思ったんです。しかし家族全員分の衣類を収納する前提のためかなり広くなっています。ただ今思えば、家族全員が同じ着替え室というのはかなりビミョウですよね^^;
そしてそれらが面積を占有してしまい、全体の広さに対してリビングは言うほど広くありません。何よりこの間取り、総二階にすれば延床面積60坪超えのモンスターハウスです。
・・・とまあ、素人が組んだ間取りの代表例みたいになっています。お金がいくらでもあるのなら作れないことはないでしょうが、広すぎたりいらないクローゼットがあったりと使いにくいことこの上ない家でしょうね。
改良版…?
先ほどの間取り図はあくまでたたき台だったのでここから組み直していくわけですが、なかなかいい感じになりませんでした。何回か改良を重ねた(つもりの)間取りがこちら。

正直あまり変わっていません。洗面室は無駄に広く、階段周りは見るからに面積が余っています。水回りはかなり迷走していますね。合わないピースを無理やり繋ぎ合わせたパズルのようです。この時点でも総面積は全く減っていません。
2階も相当に面積を持て余した間取りになっています。
このまま建てるわけにいかないのは火を見るより明らかでしたが、当時の私にはどう修正したらいいのかわかりませんでした。
結局の所、上の間取りの根本的な問題は「1階が広すぎる」ということです。総2階が基本のi-smartでは家の機能全体をうまく2つの階に分散させることが必須なわけですが、それができていなかったんですねー。ここで嫁から会心の一言。
「1階のクロゼットいらないよね?」
なんということでしょう。嫁の家事動線を少しでも楽にしてあげたいとの夫の想いから盛り込んだクロゼットをズバリ斬られてしまいました。
まあ遅かれ早かれ下されていた決断だとは思いますが、おかげで光明が見えてきました。これでただでさえ両親部屋があって広くなりがちな1階面積を大きく減らすことができました。
その後組んで直して細部を調整してを繰り返し、出来上がったのが今の間取り図なわけです。
この記事で初めて、我が家の全間取りを公開します。防犯上の都合などから今まで全間取りを公開するかは迷っていたのですが、公開してるブロガーさんもたくさんいるしもう別にいっかなと(ぇ)
そして現在の間取りへ
まず1階はこうなりました。
各部屋がきれいに並んでいます。「面白い間取り」ではありませんが、使いやすさを追求したらこうなりました。名残として玄関ホールが広めとなっていますが、無駄なスペースは無いと思っています。
2階はこうです。
右上、左上、左下が子供部屋、右下が寝室、中央南が多目的室です。ウォークインクローゼットは西側に子供達用、東側に夫婦用と分けました。実際には物置を兼ねる可能性大です。部屋間で音が通りにくいように収納を配置しました。廊下の専有面積がやや大きいとは感じますが、部屋数を考えるとこれくらい必要のようです。
以上が我が家の間取りの完成までの流れをまとめたものになります。この記事では3ステップの間取り図でお示ししましたが、実際には全く異なるタイプのも含め、たくさんの間取り図を作りました。

素人が行ったもので過程に無駄が多いとはいえ、これだけの試行錯誤を他人(設計士さん)とのやり取りで組み立てていくのは大変だと思います。やはりこの辺は自分で間取りを作る大きなメリットと言えるでしょう。
最後に、間取り作りの過程で私なりに感じたコツのようなものを書きたいと思います。
自分で間取りを作るコツ
・まずは前述の通り、基礎知識を一通り学ぶことが重要です。
・自分は夢見る素人だと言うことを肝に銘じる必要があります。つまり、往々にしてプロから見たらトンデモな間取りを作りかねないという自覚が必要です。
・当たり前ですが設計士さんに見せてから頂いたアドバイスは真摯に受け止める必要があります。ただ設計士さんによっては施主の気を悪くさせないためにあまり指摘してこないこともあると思うので、こちらから積極的に求めていった方がいいと思います。
・これは無駄かな?と少しでも思ったものは大抵無駄です。間取り作りは無駄を徹底的に削ぎ落としていく作業とも言えると思います。
・自分がこだわっている「優先事項」は本当に大切な事柄なのかを時々見直すといいと思います。私の場合はクロゼットがいい例でした。
・「全てを金額に置き換えて考える」と間取りの断捨離がしやすくなります。例えば家全体をあと半マス伸び縮みさせたら○坪増減するから○百万円変わるとか、シューズクロークを作るとどうしても+○坪になるが、金額分に見合った価値があるかといった感じです。i-smartは坪単価70万円弱と謳っていますが、オプションや電気工事費等を組み込んだ最終的な坪単価は80~90万円になりますので、それをもとに計算するといいと思います。
・私の失敗談ですが、自分で間取りを作ってたとしてもいきなり見せずに温めておき、ひとまず自分の要望を盛り込んだ間取りを設計士さんに作ってもらった方がいいと思います。自分の作った間取りとプロが作った間取りを見比べると様々な気付きが得られると思います。
いろいろお恥ずかしいものもお見せしてしまいましたが、少しでも間取りを作ろうと思っている方のお役に立てれば幸いです。
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