壁の中のDIYその③ 空配管・LAN配線を自分で追加する

こんにちは、ケノシュです。

壁の中のDIYシリーズ第3段は配線・配管についてです。

空配管のオプションってご存知でしょうか。これまた壁の防音施工と同様に仕様ご確認ノートには載っていない裏オプションになります。
LANケーブルに限らず、i-smartの壁内配線は下の写真のように全てむき出しの状態で走行しています。

ですので後になってから配線を追加したり取り替えたりは出来ません
そこで登場するのが空配管で、将来の配線(TVやLAN等)のために部屋と部屋とをつなぐ直径2cm前後の空っぽの配管を壁の中に通しておく、というものです。
オプション費は、確かDIYに比べればかなり割高な印象でした。

「壁の中に配管しておくと言っても、いまいち具体的なイメージが湧かない」という方のために空配管について簡単にご説明します(私も打ち合わせの時点ではイメージが掴めていませんでした)。

【空配管の概要】
配管に使うのはCD管もしくはPF管という樹脂製の柔らかい管です。
耐候性が強く、自己消火性のあるPF管がおすすめです。

使用用途によりますが、内径22mmのものが多用されるようです。LANケーブルを通すだけとかならもっと細いものでもOKです。

これらの管を天井・壁の中を這わせ、ある壁の中と別の壁の中をつなぐわけです。
「壁の中と言っても、石膏ボード&壁紙で塞がれちゃうよね?どうやって使うの?」と思われるかと思います。私も当初そう思っており、イメージがつかみにくい主因でした。

コンセントやスイッチなど壁の中にアクセスする部分には防火上、鋼製ボックスという金属製の部材を経由する必要があります。
上下左右に配線を通す丸い穴が空いているのが分かりますね。

当然石膏ボードもこの開口部の部分はくり抜かれます。

そしてコンセントやスイッチなどの部品を入れた後にプラスチックのカバーを付け、見慣れたコンセント・スイッチになるわけです。
ですので、使うかどうかもわからないような念の為の空配管だから壁で塞いでしまうという場合は、いつか必要になった時に壁をくり抜いて鋼製ボックスを取り付ける、という作業が必要になってきます。その場合は配管の断端は壁の中で宙ぶらりんにしておくか、後で分かりやすいよう柱などに固定しておく形になります。

それだと大変なので、基本的にはあらかじめ鋼製ボックスを取り付け、鋼製ボックスの上下左右のどこかの穴に配管を接続固定し、外見上はのっぺらぼうのコンセントのようなカバープレートで蓋をしてもらう形になります。

スイッチやコンセントでもそうですが、表面のプラスチックカバーって実は簡単に外せるようになっています。空配管を使う時が来たら、自分でカバーを外して配管を使用する形になります。電気工事士の資格のいる電源系の配線でなければ誰でも出来る作業です。
配管の中には呼び線という金属ワイヤが通してあり、通したいケーブルをそれに結びつけて反対側から引っ張って使用します。

配管は当然ながら家の中の2点をつなぐものであるため、使い方にもよりますが情報ボックスを基点として各部屋に配管することが多いと思います。

余談になりますが、呼び線が抜けてしまった場合には適度な大きさに丸めたティッシュや綿球等に釣り糸を結びつけ、配管内に入れたあと反対側から掃除機で吸引すれば糸を通すことが出来ます。

.
【空配管のDIY】
私は当初、空配管の意義が今ひとつつかめず、無設置のまま着手承諾をしました。後になって追加の必要性を感じ慌ててDIYで取り付けることにしたという流れです。しかし、DIYでやるには制約が大きいので、事前に配管する意図があるのであれば多少高くても素直にオプション費を払って配管してもらうのが吉です。
ただ、後述するLANケーブルの事前配線はやる価値アリかもしれません。

現在は通信の無線化が進んでおり、自宅内のネット環境は無線(wifi)化している方が大多数と思います。
一般家庭の中で有線接続を必要とする機会は限られており、TVなどの大容量通信などで使用するくらいでしょうか。
もしかすると再び有線が主流になる時代が来るのかもしれませんが、私は必要性がいまいち感じられず当初は空配管を配置する予定はありませんでした。

一転して空配管を配置しようと思った理由は1階と2階をつなぐLANケーブルの速度の限界を認識したからです。
一条の家は金属製の床暖房パネルのために1階と2階の間で無線の電波が通りにくくなっており、家全体で快適にインターネットをするためにはwifiの中継機を使用するか、階間に有線LANを通して無線端末同士を接続しておく必要があります。いい感じの設定がこちらのサイトで詳しく解説されています。

我が家でも2階の「情報ボックス」から1階の「情報コンセント」にLANケーブルが標準で通っておりますが、このケーブルの規格が「カテゴリ5e」というものでした

私はITの畑の人間ではないので拾ってきた知識ですが、LANケーブルには現在カテゴリ5から7(8?)までの段階的な規格があり、カテゴリが上がるほど高速度通信に対応しているようです。カテゴリ5eは1Gbpsまで対応、カテゴリ7は10Gbpsまで対応とのことです。
現代の家庭用のインターネット速度は実測でせいぜい数百Mbps程度なので、高いカテゴリのケーブルを今使用しても体感的な差はほとんど無さそうですが、NUROを始め1Gbps以上の回線速度を提供する業者も出てきました。時代が進めばさらに速度も上がり、カテゴリ5eのケーブルでは体感的にも不足するようになるかもしれません。
なので将来階間の配線を追加できるように、1本だけ空配管を配置しておくことにしたわけです。

配置場所は2階の情報ボックスから1階のテレビボード後ろの鋼製ボックスまでです。

情報ボックスは下図のような構造になっていますが、よく見ると赤丸で囲った部分に穴が開けられています。

この穴の部分は壁の石膏ボードもくり抜いて壁内に通じるように工事され、この穴から外部とのネット配線などを屋内に導きます。家の完成後も壁の中にアクセスできる数少ない貴重なポイントになります。「一条工務店 情報ボックス」で検索すると実際の施工例が出てきます。

DIYで壁内に空配管を配置したとしても石膏ボードに閉じ込められてしまっては容易には使用できませんので、基点は情報ボックスのこの開口部にしました。

我が家にはもう1箇所、完成後も壁内にアクセスできるポイントがあります。
それは1階テレビ裏の壁内配線の出入り口です。

我が家のテレビはこのように壁付けにする予定ですので、テレビボードとテレビの間をつなぐ隠蔽壁内配線が必要です。

実際の施工現場はこんな感じで、テレビ裏とテレビボード裏にそれぞれ鋼製ボックスを配置し、両者の間に管状のスペースを確保しています。

上の開口部から、

こんな感じの長方形のスペース(壁は柔らかい)を経由し、

下の開口部に繋がっており、電源ケーブルやHDMIケーブルを通す予定です。2階の情報ボックスからの空配管もこの出口につなぐことにしました。

.

さて、先程DIYは制約が大きいと書きましたが、その理由は配管するための壁・天井の開口が確保できないからです。
本来密閉空間である壁や天井の内部に配線を行う場合、線を通すための開口部が随所に確保されます。

こんな感じで枠の木材を削って確保するわけですが、家の耐久性にも影響するため、削る量は必要最小限に抑えられています。
下は配電盤部分の配線ですが、開口部に一分のムダも無いことが分かります。

このように削る量は事前に厳密に計算されているため、DIYで空配管を配置するのであれば残された僅かなスペースを利用しなければなりません。
これがDIYをおすすめしない理由です。

我が家でも階間や天井間の開口には余裕がありましたが、天井から壁の中に向かう開口はわずかにしか残されていませんでした。
下の写真は情報ボックス付近の天井からの開口部で、かろうじて2本分くらいあるように見えますが、ここから更に壁の中に向かう開口部は1本分のスペースしかありませんでした。
つまり、我が家では情報ボックスからのDIY空配管は1本しか配置できないということです。
なお配置する際には、内部に呼び線代わりのカラーワイヤー(200円くらい)をあらかじめ入れておきます。

こんな感じで壁や天井に管を通していきます。

.
もう一つ、入居後すぐ使うであろうカテゴリ7のLANケーブルも空配管と並べて同じルートを這わせておきました。

こちらは太さがないので配線は余裕でした。

空配管と同様に情報ボックスからテレビボード裏の開口部まで引いてきました。

もちろんカテゴリ7のケーブルもいつかは時代遅れになると思いますが、これでしばらくは空配管を温存できます。

以上、空配管&LANケーブルの配線についてでした。

.

★☆にほんブログ村の一条工務店トラコミュ(テーマごとの記事集)はこちら☆★

一条工務店 一条ルール オプション 一条工務店*建築工事実況中!
トラブル&クレーム 一条工務店を選んだ理由 夢発電 照明・電気配線
フロアコーティング 間取り紹介 一条工務店の標準品 一条工務店の床暖房
一条工務店 収納  一条工務店住み心地  一条メンテナンス&補修  Web内覧会*一条工務店

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


スパム対策で、日本語を含まない投稿は反映されませんのでご注意下さい。